レースの技術から生まれたホイールWORK EMOTIONの歴史を徹底解剖!
2022/06/14
挑戦を続けるホイールメーカーWORKは今回、開発課の梅内さんと歴史を紐解いていきます。
開発担当者が出てくるということは、他では聞けないレアな話も出てきそうです。
目次
ギャラリー
まずはJCさんが編集したオープニング動画がめちゃめちゃカッコイイ!
その中でもカッコイイ物をいくつかピックアップしました!
オープニング部分だけでもお腹いっぱいになってしまいます笑
ではWORK EMOTIONの歴史を見ていきましょう。
WORK EMOTIONの歴史前編
前編の動画はこちら
F3のホイールから歴史は始まる
WORKの代名詞とも言われるブランド“WORK EMOTION“
国内F3のレース用で開発されたのが始まりでした。その時はまだ名前のないホイールでした。
当時はヨーロッパから輸入した鋳造(型に流して精製)のマグネシウムのホイールが通常でした。そこでWORKが開発投入したのが鍛造(フォージド)マグネシウムのホイール。
鍛造(焼きながら圧縮精製)なので軽くて強度の高いものになっています。クルマの運動性能としてバネ下重量が軽いほど良いとされ、レーシングマシンは特に重視されています。
1998〜2000年あたりホンダ系の有名ドライバーのマシンに装着され、値段は何と4本○○○万円!商売にならなかったとか。これが現在のWORK EMOTIONの原型となりました。
初代WORK EMOTION
社内でF3のホイールのデザインの評価が高いことから一般向けに商品化されました。レースで使用されているパーツやホイールを愛車にもつけたいですよね!
鍛造1ピースのWORK EMOTIONは中央部のナットホールが深く、キャリパーを逃すためのデザインで作られました。現在のコンケイブ(段差なくディスク面が中央に行くほど深くなるデザイン)とは違った見た目のカッコよさもありますね。
またWORKのラインナップに「EMOTION」というホイールがEMOTIOM開発の15年前から存在していたようですが、先に商標がとられていたのでWORK EMOTIONになったようです。
その後、現在のSUPERGTの前進になるJGTCのトランピオFTOやマクラーレン。市販車ではR33GT-Rなどにスポーツカー中心に装着されました。
コンケイブはデザインよりも機能優先だった!
レースにおいてデザインは何と言っても速く走るために作られるのが基本!
コンケイブはカッコよさを目的としたデザインではなくあくまで機能性。レース車両のリアタイヤは太いタイヤを装着するのでホイールも幅が広くなります。
そこで最短距離でスポークをナットホールに導き材料を減らすことで軽量に成功しました。機能性を突き詰めた中でコンケイブが誕生しました。
並行して市販でレースモデルを投入したのが鋳造のWORK EMOTION “CR”
当時ディスクはストレート、真ん中の彫りで違いを出していました。
その後GTのレースモデルをモチーフにしてコンケイブを初めて採用したのがWORK EMOTION”CR改”
それを開発したのが今回解説に来ている梅内さん!!すごい!それはそれは会社も潤ったとかw
大ヒットしたCR改のデザインを変更しリムを7本にしたものがWORK EMOTION “XT7”(クロスティー・セブン)
このリムオーバーのXT7からさらにリムを魅せるデザインに特化したのが”XD9”(クロスディ・ナイン)リムがめっちゃ深い!!そして各サイズごとに専用設計しているこだわりっぷり。
そして年に1本新作を命じられ、今までのデザインにはない8本スポーク案が出て作られたのが”XC8”。
引用:https://www.work-wheels.co.jp/img_save/pdf/576c9dad9bd52.pdf
しかし奇数にこだわっていたWORK開発陣営はまた奇数のスポークに軌道修正。その後、初めてノーマルでもリムカットを施した”11R”(イレブンアール)を発表しました。
WORK EMOTION第2章の幕開けとなる11R
引用:https://www.work-wheels.co.jp/img_save/pdf/5870506b39937.pdf
そして塗装工程の多いハイパー系塗装(メタリックのような深みがある色合い)を用いるようになったのもこの11R(イレブンアール)からでした。この11RはWORK EMOTION第2章の幕開け的な存在だったようです。
WORK EMOTIONの歴史後編
後編の動画はこちら
WFTを導入しロングセラーのヒット作へ!
前編の最後に出てきた11Rが進化を遂げ”11RFT”が発売されました。
WFT(ワークフローフォーミングテクノロジー)はリム部分を圧力をかけて引き延ばし成型する製造方法のひとつで、薄く強くそして軽いレース品質に仕上げています。
引用:https://www.work-wheels.co.jp/campaign/we/workemotion-kiwami.html
その頃同時にCR改のモデルチェンジが迫っており、コンケイブに変更し攻撃的なデザインにしてデビューしたのが”CR極” WFTのステッカーもカッコイイ!
5本ツインのスポークは立体的に彫られて形状はコンケイブ。WFTの製法を用いてWORK EMOTIONの良いところを集めた文字通り“極めた“商品。
これは現在でも売り上げTOP3に入り続ける人気のロングセラーとなりました。レースで使われているホイールの製法とデザインだったら欲しくて当たり前ですね。
また昨今人気のあまり、CR極やこの後出てくるZR10の模造品が格安で出回っているようです。安心安全は何ともかえられないので、WORKの正規商品が絶対ですね。
モデルチェンジにより各シリーズを進化させていきます。
“D9R”はリムの深さを売りにしたXD9をモデルチェンジさせた商品。スポークが細くなり引き締まっています。
その次に出たのが”T7R”こちらはリムオーバーが売りのXT7の改良版です。
新シリーズとモデルチェンジでバリエーション豊富
今までWORK EMOTIONは1ピースで製造されていましたが、初めての2ピースが”CR2P”です。
今では当たり前ですが、2ピースでは1mm単位の調整が可能になりました。コンケイブが好きだけど、もっとリムが深いのが欲しい!というニーズに応えています。
こちらはメッシュタイプ”M8R”新しい形状になっています。
SUPER GTの名門チームARTAのマシンが装着したホイールをモチーフに市販化した”RSα”
T7Rを5本スポークにした”T5R”
ここでついに3ピースが登場。21インチまでカバーできるようにした”CR3P”
2Pにしてリムの深さが出せるようにした”T5R2P”
SUVにも装着できるようにしたのが“CR SUV“
そして一番の人気を誇る”ZR10”。これも生みの親は梅内さん!SUPER GTのGAINERに装着したホイールをモチーフ市販化しています。
今までのWORK EMOTIONの中でも最軽量で機能性はバッチリ受け継がれています。
フランジの形状などこだわっている部分も多く、現役D-1ドライバーが褒めるほどのクオリティになっているようです。2022年には限定ホイールも出て特集していますので是非読んでください。
聞きたい!!レース用ホイール開発時の裏話!?
このホイール開発を務めた梅内さん。レース用のホイールはなんと上層部に相談なしに設計開発。
梅内さんがなんの縛りもなくレースで勝つスペック!として作り出した、という凄い度胸!完成段階を上層部に提出して納得させたのはカッコイイ!w
また、デザインでも技術的にも他メーカーがやっていない事を試みた製品ですが企業秘密と守秘義務でピー音が多くて何を喋っているか気になりますw
言える範囲では拭きやすい洗いやすい、その他諸々現場の意見を反映させた逸品のようです。
最後はRS11と最新作がチラリ
2Pで80年代90年代のイメージを現代に蘇らせ、コンパクトカー向けに作ったのが”RS11”。過去にまとめた記事がありますので是非読んでください。
そして新作は”ZR10 2P”。こちらはまた動画があるようです。内容はまた後日執筆したいと思います。
ZR10 2Pの動画はコチラ
最後はEMOTIONの新作開発はされているのか、いないのか…詰め寄る田中さんにWADAさんは頑なに口を開きませんが…
梅内さんwということで新作開発中ということで、今後のWORK EMOTIONの展開も楽しみにしています!