ルーフやボンネットがボコボコに…雹害時の修理方法にはご注意を!
2024/04/17
近年の気温の上昇や気候変動などもあり雹の降る回数、そしてその粒の大きさも大きくなり、車両への被害が増加しています。今回はそんな雹害車両の修理方法について記事にまとめました。
目次
雹の落下速度は最大で140km/hにも!
出典:https://weathernews.jp/s/topics/202105/180285/
ひとくちに雹と言っても、どんな定義や、どんな種類があるのでしょう。
まずはじめに、あられと雹の違いについてです。直径5mmを超える小売の粒は雹、それ以下のものをあられと呼びます。つまり5mm以上の氷の粒が降ってくることで車のボディに当たり、金属をへこましたり、ガラスを割ってしまうことが、いわゆる雹害なのです。
中には直径70mmにもなるものもあり、その落下速度はなんと140km/hにもなるとのこと。このサイズとスピードにもなると車のボディやガラスはひとたまりもありません。それどころか、人が外を歩くこともできないような状態となります。
雹害にあった場合の修理方法
それでは実際に雹害にあってしまった場合、どのように修理するのでしょうか。
まず、車両保険に加入してあれば、修理費用が保険金で賄えることがあります。雹害にあったあと保険会社に連絡を入れ、車両の修理を行うディーラーや工場に入庫することになるでしょう。
ここで注意をしなければいけないのが修理方法です。その修理方法は主に3つを挙げられます。
1.板金塗装
2.パネル交換
3.デントリペア
特に注意が必要なのはルーフパネルの修理です、理由はルーフパネルはモノコックフレームの一部という扱いで修復歴の有無に関わってくるのです。つまり、1・2の修理方法で修理を行うと、修復歴有りになるということです。※車種によって異なる
出典:http://www.jaai.com/contents/crossroad/
日本査定協会が定める修復歴の定義は、上記画像の部位を交換したり、あるいは修復(修正・補修)したものが修復歴車とされています。つまりボンネットは問題ありませんが、ルーフパネルの交換、及び板金塗装を行うと修復歴ありになってしまうということです。
その上、ルーフパネルの修復は修復歴の中でも重度という査定をされてしまい、売却時に大幅に減額されてしまうことになります。この事実を突きつけられるのは売却のときで、時すでに遅し、というわけです。
査定も下がらないデントリペアがオススメ
デントリペアとは正式名称「ペイントレスデントリペア」といいます。従来の塗装を剥がし叩いて塗装をし直すという板金塗装とは違い、元々の塗装を生かしたまま修理を行うという手法です。
ボディ表側から特殊な工具で引っ張ったり、内側から押し出したりといった熟練の技術が必要な修理方法ですが、パテや塗装も入らないため査定上も影響が出にくい手法となります。※直した跡があると査定されることもあります。
板金塗装に比べると費用が抑えられたり、出張作業の対応が可能だったりとメリットも多いため、塗装に問題のない修理の場合はデントリペアを利用される方が増えているのが現状となります。
これらを考えると、雹害によるルーフ・ボンネットの修理は板金塗装よりもデントリペアの方がメリットがあると考えて良いでしょう。
板金塗装 | デントリペア | |
コスト | △ | ◯ |
時間 | △ | ◯ |
出張修理 | △ | ◯ |
査定 | ✕ | ◯ |
大きなキズ・ヘコミ | ◯ | ✕ |
ビフォア・アフターを見れば一目瞭然
上記画像を見比べれば一目瞭然ではないでしょうか。Beforeはルーフに100発以上の雹害を受けてしまった車両で、わかりやすいところに◯印をつけてみました。本来であれば、これだけのヘコミができれしまった場合は、ルーフ板金、または交換を余儀なくされると思います。
しかし、Afterの画像をご覧いただければ、デントリペアでしっかりと直っていることが確認いただけると思います。背景の住宅の模様が波打っているか、真っ直ぐかでわかりやすくなっています。
画像ではわかりにくいのですが、Beforeの方にはルーフ全体にヘコミがあります。一番わかりやすい箇所に◯印をしてありますが、Afterの画像ではその大きなヘコミもしっかりと直っているのが見て取れるかと思います。
これらのルーフの修理は第三者機関の査定上、修復歴にはならずに高評価をいただくことができました。
尚、万が一ルーフパネル交換といった修理になった場合、査定額が50万円以上ダウンすることもあります。高額車両やレア車両に至っては、更に査定額がダウンされることもありますので、手を付けてしまう前に一度ご相談をいただければと思います。