FD3S RX-7のブローしたエンジンをオーバーホール!
2022/06/14
RX-7のレストアシリーズ!今回はブローしてしまったエンジンをO/H(オーバーホール)して復活しました!
前回、宮城県富谷市にあるプロショップSCREENさんの千葉社長から届いたエンジンブローの報告の模様はこちら
目次
預けて数ヶ月!久々のいしてつ号に再会!
O/Hが完了したという連絡を千葉社長からいただき、意気揚々と引き取りに伺いました!
早速いしてつ号がお出迎え。やっぱりカッコいい!!
ただ、全体的にはキレイなんだけど、近くで見るとそれとなく気になるところが…。リトラクタブルヘッドライトの縁とかプロントバンパーのキズとか。
まぁそれはまた別の機会にいたしましょう。ボンネットを開けてエンジンルームを見てみました。
説明前では正直、パッと見何が変わったかわからないけど…なんて言ったら失礼ですよね。
今回の動画では、引き取ると同時にエンジンがどんな状況だったか、SCREENの佐藤さんと下山さんに詳しく説明していただきました。これがとても勉強になりました!
動画はこちら
ブローの原因はローター内のシール破損
ブローの原因となっていたのはリアローターのアペックスシールが欠けて圧縮不足になっていました。
欠けしまったアペックスシールがハウジングまでキズつけてしまったようです。次の画像で黒く痕がついている部分がキズついてしまった箇所で、同じハウジング内にいくつか見受けられました。
今回O/Hの内容としては、欠損してしまったアペックスシールの交換。キズがついてしまったハウジングの交換。
その他にも細かいエンジンのシール類と消耗品を交換してもらいました。
交換したシール類
アペックスシール
出典:https://minkara.carview.co.jp/userid/295094/blog/21908586/
コーナーシール
出典:https://option.tokyo/2019/04/05/23084/13_rmagic/
サイドシール
出典:https://minkara.carview.co.jp/userid/2607181/car/2599460/5800847/note.aspx
エキセントリックシャフトの軸受け
内側の摩耗が多く今回は交換してクリアランス調整も行っています。大事なエキセントリックシャフト本体は摩耗測定して利用可能でした。その他、フロントのローターハウジングも利用可能でした。
ホース類
ローターハウジング周り・ガスケット・ホース類
インマニやエキマニを外す大掛かりな作業でないと対面することができないので、O/Hのタイミングで交換しています。
ウォーターポンプ・水回りのホース
エアホース
この辺りは全て新品に交換しています。またロータリーエンジンは熱量も高くカチカチになって割れないように強化シリコンのものに交換して少しバージョンアップしています。
ウインクしていたライトも修理!
購入当初ウィンクしていたヘッドライト。不調の原因は右はリレーの交換、左はモーターの故障で純正部品がギリギリあったので直りました。どんどんパーツがなくなっていく中なのでラッキーでした。
交換して両目パッチリになりました!
慣らしの大切さ
せっかくO/Hして直してもらったRX-7ですが、無事に横浜まで乗って帰らなければなりません。遠距離なので慣らし運転も兼ねて帰るわけですが、いつもどおり全開で!というわけにはいきません。そこで慣らし運転の仕方も教わりました。
目安の距離と運転方法
慣らしの目安の距離は3000km。運転の仕方は高速道路を巡行するなら4速あたりで3000~3500回転をキープ。過給をかけず急加減速もダメです。
せっかく直ったから踏みたいけどエンジンに負荷をかけないことが鉄則です。オイル交換を行うごとに少しずつ負荷を増やしていきます。
オイル交換
フィオルターはパフォーマンスを落とさないために毎回交換し、1回目の500km。2回目は1,000km。3回目も1,000kmで通常のオイル交換よりも早いペースで行っていきます。
緊急時のために頼れるお店も大事
どんな車においてもそうですが、買う前に信頼できるショップをピックアップしておくのが一番ですね。もちろんSCREENさんは信頼できるショップの一つです。
今回のようにエンジンのO/Hという大きな作業のあとは、必ずしも気になるところが出てきて神経質になります。
そんなときすぐに相談できるお店があると全然気持ちも違いますね!
帰路は安全に!!
エンジンが直って楽しく乗りたい気持ちが逸ります。アクセルベタ踏みで急加速したいけどそこは我慢です。もし、走行中に何か違和感や異変を感じたら、無理に自走せず安全な場所に停めてショップに連絡し相談しましょう。
エンジンO/H後のコンディション
今回SCREENさんでO/H後にいしてつ号のエンジンの圧縮を測っていただきました。250回転換算で圧縮比は平均で8.5くらいでした。O/Hした直後はアタリが出ていないため圧縮はそれほど高くないです。
慣らし運転が終わり調子がいいと圧縮が9.0付近になることもあるそうです。
また、圧縮の下限はメーカー基準値で7.0と言われており、基準値を下回ると状態が悪いとされエンジンのO/Hが必要になってきます。
さて、仙台から横浜への長い道のり。早速高速に乗りました!乗った感じはトルク感もあって、ストレスなく慣らし運転を兼ねた高速走行ができました。
RX-7レストアシリーズの一大イベントが終えましたが、序盤に挙げましたライト周りやフロントバンパーのキズなど気になるところがまだまだあり、今後も続いていきます!
今回の費用は?!
交換パーツ | 費用(円) |
---|---|
エンジンガスケット | 92,650 |
Oリングセット | 33,650 |
リアローターハウジング | 59,050 |
リアローター | 51,520 |
インターメディエイトハウジング | 50,790 |
クラッチカバー・ディスク・レリーズ | 48,850 |
アペックスシール | 24,780 |
その他ローターシール | 64,140 |
メタリングオイルチューブ | 5,520 |
ウォーターポンプハウジング | 10,475 |
サーモスタット | 3,100 |
ウォーターホース一式 | 17,325 |
エアホース一式 | 12,420 |
サーモペレット | 3,535 |
プラグコード | 8,270 |
プラグ | 5,600 |
ベルト一式 | 8,970 |
その他G/K,P/Kホース類 | 7,340 |
油脂類 | 43,550 |
リアハウジング M/T用 | 40,860 |
クラッチニードルベアリング | 1,330 |
クラッチニードルシール | 255 |
O/H工賃 | 350,000 |
脱着費用 | 100,000 |
O/H費用合計 | 1,092,515 |
その他作業 | 費用(円) | |
---|---|---|
24ヵ月点検 | 55,000 | |
ハウジングボルトシール | 9,940 | |
コーナーシールスプリング | 1,940 | |
メタルピンストッパー | 840 | |
コネクターホース | 900 | |
バルブチェック | 1,800 | |
バッテリー | 31,700 | |
リトラリレー | 工賃 15,000 | 6,710 |
リトラモーター(左) | 工賃 15,000 | 33,030 |
ヘッドライトASSY(右中古) | 工賃 8,000 | 15,000 |
クリーナーBOXカバー | 工賃 6,000 | 15,370 |
ガソリン | 5,000 | |
その他作業合計 | 221,210 | |
O/Hとその他の作業合計 | 1,313,725 | |
消費税 | 131,372 | |
総計 | 1,445,097 |
額面ではかなりの金額ではありますが、20年選手のRX-7はいずれエンジンのO/Hが必要になってくるクルマです。パーツがまだある段階で一度考えてみてはいかがでしょうか?