メルセデス ベンツG63のバッテリー・サブバッテリー交換をしてみた!なんとサブバッテリーはあんなところに!?
2022/04/21
車の定期的に交換する部品で比較的高額なバッテリー交換ですが、自分でも出来そうだと思いませんか?
それに同じバッテリー交換でもバッテリーそのものの金額も工賃もディーラーや整備工場によって様々です。
今回は現行のメルセデスベンツG63のバッテリー、サブバッテリーをプロが交換する手順を紹介します。最後まで見て、自分で交換出来そうかどうか判断してみて下さい。
ちなみに今回バッテリーを交換してくれるイデポンさんはかなり優秀な整備士で、人としてもとてもユニークな方です笑
目次
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サブバッテリーの位置を確認
近年の輸入車はサブバッテリーが装着されているモデルが多く存在します。サブバッテリーはバックアップバッテリーとも呼ばれ、高度化した電子制御に関わる電源を供給する大事な役割を持っています。
このサブバッテリーはベンツでも車種によって取り付けられている位置が異なり、サブバッテリー自体も小型なので見つけるのに苦労します。イデポンさんの経験と勘で怪しいところにファイバースコープを突っ込んでいきます。
序盤から飛ばしてイデポン節を炸裂させていきますが、ここには無かったようです笑
気を取り直して助手席側(右側)のフューズボックスの蓋を開けて確認すると、さすがイデポンさんすぐに発見しました。
サブバッテリーの位置と現物の確認が出来たので、メインバッテリーから交換していきます。
メインバッテリーを交換
現行のGクラスのメインバッテリーはトランクルームの下にありますので、まずはトルクスドライバーでトランクの荷止めのフックを外していきます。
外すと蓋が外せるようになるので外して、メインバッテリーとご対面です。
まずはガス抜きプラグから外していきます。このガス抜きプラグは室内にバッテリーがある場合に付いていて、水素ガスが室内に充満するのを防いでいます。アクアやプリウスなどの国産車にも付いているものになります。
あとは通常のバッテリー交換同様にマイナス側(アース)から外していきます。
完全にマイナスを外したら、プラス側も外して、左側に付いているロックを2個外したらメインバッテリーを外す準備は完了です。
メインバッテリリーが外れました。国産車のバッテリーに比べかなり大きいです。取ったどー!!と言いながらかなり重そうなイデポンさんです笑
さっそく新品のバッテリーと交換していきます。使用するバッテリーはヤナセのユーロバッテリー。ディーラーより安く手に入るのは企業努力の賜物ですね。
取り付け前に新旧バッテリーを並べて確認します。バッテリーの極性、容量、バッテリーの大きさを確かめます。
国産車と違い容量はA(アンペア)で記載されていますので、注意しましょう。
確認し、違いがなければ新品のバッテリーを取り付けていきます。傷をつけないように慎重に作業します。左右にツメがあるので、しっかりツメにはめ込みましょう。
あとは外した順番の逆の手順で取り付けていきます。ステーを取り付けて、プラス側を取り付けます。
ここでプラス側も取り付けてしまいたい所ですが、レクサスや外車はバッテリーを外すと5分〜10分おく必要があります。これは車両コンピューター内に溜まっている電気を放電させ、ゆっくりデータを消す必要があるからだそう…。
なにも知らないとこのままつけてしまう所でした。そこはイデポンさんです。この時間を活用してサブバッテリーの交換をしていきます。この時点でガス抜きプラグも忘れずにつけておきましょう。
サブバッテリー交換
まずは右側のスカッフプレートを外していきます。イデポンさんが触っているこれです。
これは爪で止まっているだけなので、クリップ外しやヘラなどで優しく抉じてあげると外れます。この際にAMGと光る部分の下側にカプラーがあるので忘れずに外しましょう。
その後、足元上部のこの部分を外します。ここもツメで止まっているだけですので簡単に外れます。
これでサブバッテリーとご対面です。サブバッテリーを取り付けているプラスチック性のナットを2個外しカプラーを抜けば外せます。
後は新品のサブバッテリーと交換し、逆の手順で組み付けていきます。注意点としては、プラスチック製のナットは締めすぎると壊れるので、手で締めて工具で軽くしめたらそれ以上締めない。スカッフプレートのカプラーを忘れずに取り付けることです。
メインバッテリーの取り付け再開
メインバッテリーのプラス端子をつけていきます。この際少しスパークする可能性がありますが、気にしなくて大丈夫です。最後に絶縁キャップ、トランクの蓋をつけて作業終了です。
ここまではやり方さえ分かれば簡単ですね。
しかし、これだけでは終わりませんでした…。
テスターでセルフチェック、リセット作業
バッテリーを交換するだけでいいと思っていたのに何故か裏切られた気分になってしまいますが、バッテリーを交換することでエラーコード(故障を知らせるもの)が出ていないか確認し、出ていればリセットをします。
最近の車は多くの部品を電子制御により緻密に制御しています。そのため見た目や音で分かる故障より、テスター(診断機)でチェックし、整備するケースが増えてきました。バッテリー交換もこれに当てはまります。
現行のGクラスのOBD II(自己診断装置)の差し込み口は運転席足元の奥側にあります。ここにテスターを差し込み、診断していきます。
ここからはテスターで車体情報を入力、確認し、故障がないか調べていきます。正直よく分からないと思いますが、プロはこんなことをしています。
車両情報を入力し、車両のシステムにアクセスしていきます。今回は全システムに異常がないか調べていきます。
無事に異常がないことが分かったので、これにてバッテリー交換の作業は完了です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
一昔前の車両であればやり方さえ分かれば簡単に交換できていたバッテリーですが、高度に電子制御されている現在の最新車両であるベンツGクラスでは、最後にテスターでの確認、リセットが必要となります。
またこのテスターですが、金額と性能が比例するので、20万円出しても、国産車の確認、リセットしか出来ないものも多いです。またこのテスターをうまく使いこなすのにも多くの知識が必要で、適当に触っていたら、エンジンの調子が悪くなったりもします。
外車の故障診断もできるテスターを有し、十分に活用、整備できるイデポンさん率いるこの整備工場はまさしく真のプロフェッショナルと言っても過言ではないのでしょうか?