DC5インテグラタイプR 中古車選びの注意点をプロがレクチャー!
2022/02/06
スープラやヤリス、86/BRZと新型スポーツカーが流行の昨今ですが、今回は少し前のクルマ、インテグラタイプRの中古車にスポットを当ててみました!
購入時の注意点をHONDAのスポーツカーを専門に販売しているHMRのイシケンさんとメカニックの邑松さんがプロの目線でインテグラタイプR(以下DC5)の購入時の注意点を一般の方にも分かりやすく解説していただきました!
内外装のキズやオプションに何が付いているか、素人目線で外見しか分からなかった中古車選びのスキルが激変!この動画ではどこを見たら良いのか、どんな状態が良い車と判断できるかが分かるようになります!
HMRさんのインテグラのラインナップはこちら
https://hm-r.co.jp/shop/used/honda/integra_type_r
目次
今も根強い人気のインテグラタイプR(DC5型)
近年のスポーツカーはパワフルなエンジン!精度の高い電子制御!ラグジュアリーな乗り心地!と、クルマとしてはとても高い次元で仕上がっていてお値段もそれなりです。
しかし、この記事を読まれている方は「そうじゃない!エンジンはぶん回してなんぼ、ガソリン臭いのが良いんだよ!」と思っている方が多いのではないでしょうか?HONDAにはビート、シビック、S2000と楽しいクルマがいっぱい。インテグラタイプRもとても楽しいクルマの一つです!
それではHMRさんに行ったつもりになってどう立ち回るのが良いか、注意点も含めて一緒に見ていきましょう!
動画はこちら
購入前にチェックすべき注意点1 ボンネット編
まずはエンジンルームを見せてもらいましょう!できればエンジンをかけさせてもらいアイドリングが安定しているか、振動が大きくないかを見ましょう。パーツ交換が必要なのかどうか、不具合が出た時の対応など、購入後のメンテナンスも頭に入れながら見ていくのが賢いクルマの選び方です!
オイル漏れは経年によりどんなクルマでも起こりうるものです。注意する箇所としてはエンジン上部のヘッドカバーとVTECカムの切り替えを行うスプールバルブ、パワステポンプなどが挙げられます。
エアインテーク以外にも、ゴムパーツは経年劣化に加え、振動による亀裂が入りやすい箇所。亀裂が入っていないかしっかり確認しましょう!今回動画のDC5はバッチリです!
次にエンジンマウントのチェックです。エンジンの振動はエンジンを支える土台(マウント)の劣化からくるものが多く、バタバタ揺れていないかをチェックしましょう!マウントをリフレッシュしてあげると揺れが収まります。
また、ボンネットの裏もチェック項目の一つです。下の画像の赤丸部分に注目です。
この車両は大丈夫なようですが、赤丸部分に吹き上がったような汚れがある車は要注意です。それは走行中にオイルの温度が上がり、吹き出し、フルードがボンネット裏に当たって全体的に汚れているという状態です。
そのようなクルマはスポーツ走行を行った可能性があります。つまり、高負荷をかけてドライブし酷使した可能性があるので、パワステ回りだけでなく他のパーツも消耗しているかチェックが必要です。
購入前にチェックすべき注意点2 下回り編
もしもリフトアップしてもらえるのであれば下回りも見てみましょう!注意する箇所は主にブーツと呼ばれる保護パーツです。画像はフロントの足回りを写しています。ドライブシャフトブーツは中にグリスが入っていて駆動部分を保護しています。ブーツが破れていると中に異物が入りトラブルにつながる事もあります。こちらの車両は大丈夫そうですね。
下の2枚の画像はアーム部分です。ロアアームブーツもドライブシャフトブーツ同様、グリスが入っていて、ボールジョイントと呼ばれるジョイント部分のパーツを保護しています。ここが破れていないか状態をチェックします。
ロアアームブーツはこのようにヒビが入っていることがわかります。この状態であれば車検は通りますし乗り心地にも影響はしてきません。しかし、今後ヒビ割れが進行してグリス漏れが発生してしまうと、車検が通らなくなってしまうので早めの交換をおススメします。
続いてリアの足回りにいきましょう!
ブッシュ類はロアアームごと交換したいところですが、年式が古い車ですと徐々に交換パーツが手に入らなくなってしまうのが悲しき運命。幸い、今のところ部品が出るためブッシュ単体の打ち換えは可能です。ブッシュは乗り心地や操縦安定性にも影響してきますので、劣化が進んでいる場合は早めにリフレッシュしてあげましょう。
もしリアロアアームのブッシュ打ち替えをご検討の際には、メカニックの邑松さんに菓子折りを持って依頼しましょう!と菓子折りは冗談で正規の作業工賃で承ってくれますが、作業がものすごく大変でその苦労話は動画をご覧くださいw
購入前にチェックすべき注意点3 内装編
内装編に移っていきましょう。綺麗なメーターですね!ってそうじゃなくて!エンジンをかけた時にメーターがプルプル上下することがあります!そういった場合はメーターが故障していますので、メーターAssy交換になってしまいます。
続いてはシフトレバー。マニュアルのクルマを選ばれるということはシフトレバーを触りたくなっちゃいますよねw もちろんシフトレバーもチェック項目の一つです!その中でも稀にあるのがシフトレーバーのフニャフニャ感。
シフトワイヤーが伸びてしまい揺れ動いてしまいます。ギアはしっかり入るので、普段のゆったり運転する場合には少し心地悪い程度で困りません。しかし、サーキット走行時にはハードブレーキングでシフトが前側に動いてしまい、ギアが抜けたり違うギアに入ってしまうことがあります。これは純正部品が製廃のため交換修理ができないのでシフトレバーをしっかり握ってシフトが抜けないようにドライブしましょう。
そして内装リアに移っていきます
動画のタイトルにもありますが、DC5に多いトラブル、ガソリンの臭いは注意したい点の一つ。少し厄介なのがこの症状に気づくのは1時間以上といった長時間エンジンを回した後。つまり気づくことができるのは購入後で、クルマ選びの段階ではほとんど気づくことができません。走れないこともありませんが、ガソリンの臭いが不快ですし、不安にもなりますよね。
パッキンの劣化が原因で対処は簡単ですので早めに対処しましょう。また、同時に燃料ポンプのモジュール(機構)ごと交換してしまうのもオススメです。
最後はトランクルームです。パッキンの劣化により雨漏りをしてしまいます。これによって何が起こるかというと雨水がスペアタイヤの下のくぼみに溜まってしまい錆(サビ)が発生して最悪の場合穴が空いてしまいます。
ここまで多くのチェック項目があるなんて気づきもしませんでしたね!ただキズ・ヘコみがないか、タイヤは新品か、距離数は少ないか、など見た目や車両データだけで選んでいた中古車選びが一気にプロの目線になりましたね!20年近く前のクルマなので全くパーツ交換が不要!なんてことは少ないと思いますが、選び方の良し悪しと直すべき箇所、購入後の想定もできるようになりました!
購入前にチェックすべき注意点4 番外編
ちょっとだけ番外編を紹介します。この手のクルマを手にしたらイジりたくなるのは当たり前!しかしこのクルマはノーマルがベストなんです!
なぜそうなってしまうのか気になる方は富士スピードウェイを走行した時の動画とセッティング修正をした後の動画もありますので是非ご覧になってください!
これだけの専門知識があるのは、HONDAスポーツカー専門店のHMRさんならでは。HMRさんでは中古車販売からアフターメンテナンスまで受け賜っており一貫したサービスが受けられます。気になった方は是非HPをご覧ください。