中古車相場とは?
2021/10/01
目次
中古車相場は「オークション相場」と「小売相場」
中古車は定価のある新車と違い、常に相場が変動しております。その相場というのは大きく分けると「オークション相場」と「小売相場」の2つになります。
オークション相場
ディーラー、中古車販売店、買取専門店などの専門業者が取引を行う「プロオークション」。毎週日曜を除き全国各地で開催されていて、ここで業者間による中古車の売買が行われております。基本的には一般ユーザーは入ることができない会員制のオークションとなっております。ここでの流通価格がオークション相場として扱われます。オークション相場は我々業者しか見ることのできないサイトでの閲覧が可能で、一般ユーザーには見ることはできません。
小売相場
中古車半売店にて販売されている小売価格を基に算出されるものが小売相場です。中古車情報のGOOやカーセンサーに掲載されているものを見れば、一般ユーザーにも現在の小売相場がどれくらいかということは容易に把握することが可能です。
「原価と販売価格の違いで、要するに同じことでしょ?」と思われる方も多いのですが、実は上記2つの相場は全く別物なのです。それは何故かと言うと「中古車に定価がないから」です。利益をいくら乗せるか、というのはその販売店次第なので、オークション相場=小売相場にならないということです。10万円で仕入れた車を150万円で売っても、500万円で仕入れた車を501万円で売っても自由なのです。もちろん売れるかどうか、また事業が継続するかどうかは全く別問題ですけどね。
中古車相場は「オークション相場」が基本!
では、実際何を相場として扱っているかというと、間違いなくオークション相場です。オークションに出入りできるのは我々業者。それは中古車のプロが集まる場所です。要するにプロが「この車は〇〇万円だな」と値付けをしているわけですから、それ以上にもそれ以下にもならないということです。
店頭に立ってお客様と商談をしていると、他社の販売価格を見て「御社のこの車両価格高すぎない?もっと安くしてよ!」とか「僕の車の価値はもっとあるはず!もっと高く買ってよ!」とか、いろいろ言われますが「それ小売相場ですよね?プロが仕入れ値として見てるオークション相場は違うんですよー!」って思っております。まぁ、私の場合商談中にお客様に説明してしまいますけど。笑
ですから、小売相場はあくまでも小売相場。まして、驚くほど高い、または安い車両価格をつけているものは相場を無視した価格になっているということです。
中古車の価格には必ず理由がある
ここで少し脇道にそれますが、オークション相場を基に販売価格が決まっているということを前提にお話をすると、相場を逸脱するほど安い、または高い車には必ず理由があるということを忘れないで下さい。特に安い車には要注意です!
例えば、オークション相場100万円の修復歴無しの車があるとします。仮に10%の利益を載せて110万円で販売することが一般的だとして、店頭価格100万円の車両があったとしたら、なぜその価格なのかをしっかりと確認する必要があります。
私が想像できる理由は以下となります。
①買取・下取り車両のため中間マージンを省いている
②決算時期によるプライスダウン
③長期在庫によるプライスダウン
④修復歴無しだが状態が悪い
⑤修復歴や走行距離を偽っている
①②はとても良い理由で一般的に言う掘り出し物といったものだと思いますので、すぐに購入すべきでしょう。③はどんな理由で長期在庫になっていたかが重要です。中には購入すべき理由もあるので一概に悪いとは言えません。④は中古車には点数評価がありその評価点と、その理由をしっかりと確認する必要があります。簡単に言えば90万円で仕入れられる車の可能性があるということです。⑤は論外ですね。未だにやっている中古車販売店が存在するところが怖い。。。
オークション相場が基本なので、車両データと価格だけで判断するのは非常に危険ですよ。このあたりは、また別の機会に詳しくお話させていただきますね。
オークション相場は何が基準で決まっているのか?
毎日のようにオークションで車が売買されている中、何を基準に相場が決まっているのか。相場の変動には様々な要因が関係しています。
ユーザーニーズ
最も重要な項目で、ニーズがある車両、即ち人気車は相場が上がる、または相場が下がらないという状況になります。一般的に新型車が出たら旧型の相場が下がると言われておりますが、デザインや性能等ユーザーが旧型の方が良いと感じたら、中古車市場ではこのような現象が起こります。
市場流通量
上記に関わる部分ですが「流通量が少ない=ニーズがある=相場が上がる」、または「流通量が多い=ニーズがない=相場が下がる」といった図式を描くことができます。オークションでの競り合いに大きく関わってくるので、相場にダイレクトに影響していることが我々業者にはすぐにわかります。
為替
現在国内のオートオークションの取引台数の約35%が海外に輸出されているため、特に輸出に強い車両は為替の影響を受けやすいと言えます。
時期(タイミング)・季節
一番わかり易いところで言えば、冬に4WDのニーズが増えるので相場も高騰しやすく、オープンカーなどは冬にニーズが減るので相場が下がりやすいのが有名なところです。また、決算時期などで中古車の流通量が大きく変動するため、相場にも影響が出やすいと言われております。
代表的な項目はこういったものが挙げられますが、他にも細かいことやその時の経済状況などでも変わってきますので、常に相場を肌で感じておくことが重要です。
プロの中にも得意不得意が。プロ中のプロに聞け!
私はスポーツカー専門店で15年以上勤務してきましたが、お客様から「知り合いの車屋さんがオークションで買えるからお願いしてるんです」といった言葉を良く耳にします。もちろんそれを否定するつもりはありませんが、その車屋さんがどれだけオークションに精通しているのでしょう?小売店だとして、年間オークションの取引台数や得意車種はなんでしょう?年間10台ほど、全て軽自動車のオークション取引のお店がスポーツカーの相場をどれだけ知っているのでしょう?特にスポーツカーは高性能でメンテナンスや修理も難しいので、探してもらったは良いがアフターサービスに不安を感じるのではないでしょうか?餅は餅屋。年間何千台もの車両や相場を見ているプロに聞くのが一番安心です。
買取に関しても、こういったお店は相場をわかっている上、店頭にて再販ができるので一般的な買取店よりも高い価格にて買い取ることができますので、相談してみるのも良いですよね。